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スカボロー・フェア

  • 2010-06-11 (金) 8:35
  • 沖縄

「少し間が空きましたが」などと言いながら始まるブログ記事のなんと多いことよ。

次に進みます。

戦後沖縄の近代建築における地域性の表出 / 小倉暢之,琉球大学 2006

戦後、米軍によってコンクリート建築が導入され、
気候・生活にあわせて「沖縄らしく」なった。

本土復帰運動や米軍統治の錯綜過程において、
沖縄文化のアイデンティティ再燃が起こり、建築分野では
琉球政府立博物館、那覇市公会堂の設計競技および建設が行われ、
これによって、「ヒンプン・アマハジ・赤瓦」が沖縄らしい建築モチーフとして
その後のデザイン展開に影響を与えつつ定着した。

■政治的事情によって導入された技術だが、
それが「現にそこに住んでいる人々」によって工夫されて使われた、
ので、その場所(沖縄)「らしさ」を形成した。
■政治的事情によって刺激された文化的アイデンティティが、
事件と議論を通じて共有された。

政治と「沖縄らしさ」は切り離せないということでしょうか。
もうひとつ、
琉球政府立博物館における昭和42年(1967)日本古美術展について : その文化的政治的含意
喜屋武 盛也 沖縄県立芸術大学 2007

米軍統治下の外国・沖縄における、「日本美術史」の(再)形成。
日本政府による明治以来の官製美術史プロジェクトの戦後的形態、について。

■ややこしいですが、
琉球を文化的に日本から切り離そうと、
米軍によって近代性を(「沖縄らしさ」でなく)強調された博物館で行われた、
日本政府による日本古美術展の政治的意味。
沖縄を舞台に日米政府の文化的≒政治的小競り合いが繰り広げられた様子について。
その争い以前に、当の琉球は米軍に簡単に抑えられています。

ほんと、ややこしいですね。

ところで、先日
文化ナショナリズムの社会学―現代日本のアイデンティティの行方  吉野 耕作 (著)

という本を読みました。

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